本校の研究指定で取り組んでいるキャリア教育についての概要です

平成17年度校内研究テーマ
「夢や希望を持ち、自らの生き方を考え、
    自分の可能性を伸ばそうとする生徒の育成」
~キャリア教育からの教育課程の見直しと小学校・地域・家庭との連携をとおして~
研究の目標
キャリア教育の観点からの教育課程の見直しと小学校・地域・家庭との連携をとお
して、夢や希望を持ち、自らの生き方を考え、自己の可能性を伸ばそうとする生徒の
育成を究明する。
(1)キャリア教育を推進するための体制づくり
  効果的にキャリア教育を推進するためにキャリア教育推進委員会を設立し、二つの部に分けて推進している。キャリア教育推進部においては、総合・道徳・特別活動を中心とした生き方指導の充実に重点をおくとともに、教科や領域とキャリア教育の関連化を図っている。また、キャリア教育において個別指導は欠かせないが、そのためのキャリアカウンセリングの効果的な推進も重点項目としている。小学校・家庭・地域連携推進部は家庭や地域の教育的役割を明確にするための啓発の推進や各種ボランティア活動の推進、小学校との連携の推進などを受け持つこととしている。
(2)生徒につけたい力の設定
 校内研究テーマを具現化し、今年度の校内研究全体計画をつくるためには、生徒につけたい力を明らかにする必要がある。 そこでキャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議が定めたキャリア教育の4能力領域と関連させた生徒につけたい力を設定した。まず生徒につけたい力として、「計画する力」、「関係する力」、「行動する力」の3つの能力領域を設定した。これは校内研究テーマを三つに区分し、作成したもので、それぞれ「夢や希望を持つ」が「計画する力」、「自らの生き方を考える」が「関係する力」と、「自分の可能性を伸ばそうとする」が「行動する力」と定義した。「計画する力」はキャリア教育の4能力の中で将来設計能力と情報活用能力と関連し、具体的な力としては役割把握力・計画力・情報収集力からなっている。また、「関係する力」は情報活用能力・人間関係形成能力と関連し、具体的には表現力・自他の理解力・コミュニケーション力となっている。また、「行動する力」は意志決定能力と関連し、具体的には選択力・課題解決力・忍耐力としている。この最後の忍耐力に関しては生徒の実態から絶対に必要であると考え、本校独自のものとして設定した。今後はこの生徒につけたい力にそって各学年において、より具体的な育成したい生徒の姿を検討していく予定である。
(3)総合的な学習の時間・道徳・特活の関連化を図ったキャリア教育の実践
  すでに本校では啓発的体験学習を導入した「生き方」指導を実践しているが、本年度では各学年の系統性を明確にした上で、キャリア教育の4能力領域と関連させた年間指導計画を立案した。
  また、人間としての生き方を深めるためには道徳との関連化を図ることが大切であり、総合的な学習の時間や特別活動における啓発的体験活動や学校行事などの前後において、その内容に関連した道徳を実施するようにしている。また、特別活動との関連化も大切である。本校が4月に実施した学習状況適応検査(AAI)において、学習計画の立案ができない生徒が多いとの指摘を受けた。そこで特別活動において、将来の人生を考えた長いスパンの計画をつくるだけでなく、大きな学校行事や定期考査・夏期休業中の計画づくりなど短いスパンの計画づくりを丁寧に指導し、計画が実行できたかどうかを評価するようにしている。
(4)キャリア教育の観点を導入した教科の授業の推進
 キャリア教育の基盤はキャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書の「学習プログラム」に示された4能力領域であり、この4能力領域の育成は主に総合的な学習の時間を中心とする領域においてなされるが、それだけでは不十分である。教科と4能力領域がクロスすることにより、協力して学びあう力、学習計画を立てる力、学ぶための資料や情報の収集力、学ぶ対象を決める力などが確実に身に付く。つまり、キャリア教育が領域だけではなく、教科も含めた教育活動全体において計画的・組織的に行われることで学習効果が相乗的に高まり、生徒が主体的に生き方を考え、進路に関わる行動に取り組む力が身に付くのである。
 キャリア教育の観点に立った授業づくりでは、生徒が「学校における学び」と「将来の職業生活」との関連を、しっかり理解して授業に臨めるようにすることが、最も大切となる。そのため、キャリア教育の観点に立った教科指導を推進するため、各教科で授業を実施するための手順をつくり、取り組んだ。
①各教科での学習内容と児童生徒の将来の職業生活との関連の明確化
キャリア教育の観点を授業に導入するためには、まず職員が自分の教科とキャリア教育の能力領域とどう関連するかを明確化することが大切である。そこで1学期の校内研修において、研究推進部から学習指導要領における目標と内容項目をキャリア教育の4能力領域8能力をどう関連するかを見直し、表にして夏休みの職員研修において全職員に提起した。
②各教科で育むキャリア諸能力の明確化
 ①で作った表から実際に自分の教科がどのキャリア諸能力を関連があるのかを考え、表にした。それが前頁の「キャリア教育と教科の関連表」である。この表は研究推進部から提起したが、その後、教科部会を開いてもらい、修正する箇所があれば出してもらって、それぞれの教員の意見を取り入れたものとした。これらの作業を通して各教科とキャリア諸能力の関連が明確化した。
③扱う単元や題材とのキャリア教育との関連の明確化
 各教員が担当する教科のどの単元や題材で、児童生徒のキャリア発達を促すための  能力や態度を育成するのか、具体的に表にすることにした。この作業を通して単元と能力との関連を各教員が考えるきっかけとなり、意識化できた。
④キャリア教育と関連させた学習指導案の作成
 この後、取り組みを強化するために2学期に全教員が何らかの形でキャリア教育の諸能力の育成と関連した授業を実施することとし、学習指導案を作成してもらった。学習指導案には授業とキャリア教育との関連が明確になるよう2つのことを盛り込むよう提案した。それは指導観の中にキャリア教育との関連について記述することと、指導計画と本時の展開にキャリア諸能力を育む活動に対応した評価基準を盛り込むことである。作成後には校内研修において、指導案審議を行い、単元とキャリア教育との関わり、キャリア諸能力の評価規準の作成理由、評価規準を達成させるための授業展開の工夫などについて討議した。授業後はキャリア諸能力の育成が達成されたかどうか評価基準の見取りなどから検証していくよう考えている。
(5)小学校・家庭・地域との連携の推進
 ①小学校との連携の推進
 小学校との連携の推進はキャリア教育の推進上、欠かせないものである。それはキャリア教育の基盤が小学校の教育課程にあるからである。望ましい職業観・勤労観の育成を図るためには基礎的な職業や勤労に関わる価値観を形成しておく必要が小学校
  段階で求められることは当然と言える。そこで、本校では小学校と連携したキャリア教育を推進するための組織作りと小・中学校9年間のキャリア教育のプログラム化を図るための発達段階に併せたカリキュラムの作成に取り組んでいる。月に一回程度教育特区推進委員会が小中合同で実施されており、その中でキャリア教育の連携についても話し合いを持っている。しかし、行事の関係などでできないことも多いなど話し合う時間も少なく、難航しているが、今年度中にはカリキュラムを完成させたい。
 ②家庭・地域と連携したキャリア教育の推進
望ましい勤労観・職業観の育成を目指すキャリア教育において、生徒が日々暮らしている家庭・地域と連携していくことが大切になることは言うまでもない。そこで本年度はよりよい連携を推進していくためにこれまでの啓発活動や連携などを整理して
以下の活動に取り組むこととした。
ア 自治公民館教育会議と連携した体験活動実施
 ・年3回の町内一斉美化活動における各地域ごとの活動計画の作成と計画の実行
 ・地域の育て学び計画づくりに生徒が参加し、生徒の声を生かした活動の実施
イ 地域・家庭への啓発活動の充実 
 ・啓発のためのキャリア教育通信を発行し、全家庭に配布する。
ウ 体験学習に関わる様々な連携の推進
 ・職場体験学習の際の体験事業所としての協力
 ・職業観・勤労観を育成するための講話などのGTとしての参加

頴田中学校キャリア教育推進方針 [175KB docファイル]